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ビートルズの曲は悲しみの特効薬その1

ある時、ユーチューブの動画を見ていたら、ビートルズのメンバーであったポールマッカートニーが過去の活動を回顧しているビデオがありました。その中で、彼らの曲の背景を説明しているの点が、特に興味深いものでした。例えば、HEY JUDE(ヘイジュード)です。ポールマッカートニーの説明を聞くまでは、単なる恋愛歌だと思っていました。しかし、実際はジョンレノンの前妻の子であったジュリアンが両親の離婚に悲しんでいた時に、ポールマッカートニーが彼を慰めようとして作った曲なのです。元々のタイトルはジュリアンを指す「JULES」(ジュールズ) だったそうですが、言いやすいJUDEにしてしまいました。ただ、一般的に、JUDEはユダヤ人のことを示す意味なので、反対意見もあったそうです。さて、その歌詞がどのように慰めに満ちているかを見てみましょう。まず、冒頭の言葉です。HEY JUDE, DON’T MAKE IT BAD.(ねえ、ジュリアン、つらく考えない方がいいよ)TAKE A SAD SONG AND MAKE IT BETTER.(悲しい歌だって明るくできるよ) HEY JUDE, DON’T BE AFRAID.(ねえ、ジュリアン、怖がらなくていいよ)AND ANY TIME YOU FEEL THE PAIN, HEY JUDE, REFRAIN.(ねえ、ジュリアン、痛みを感じるときには、どんなときにも身を引いた方がいいよ)DON’T CARRY THE WORLD UPON YOUR SHOULDERS.(世の中のことを全部自分で背負い込んではいけないよ)SO LET IT OUT AND LET IT IN.(だから、相手に自分の気持ちを打ち明けて、相手の気持ちを受け止めるんだ)THE MOVEMENT YOU NEED IS ON YOUR SHOULDER.(これは自分から第一歩を踏み出さないといけないよ)この歌詞の中で特に素晴らしいと思ったのは、 LET IT OUT AND LET IT IN.の部分です。複雑なことをここまで簡素化して言えたことに驚きます。少し解説しますと、悲しみに沈んでいるときには、自分の心の中に重くて苦しいものをため込んでいるわけです。ですから、行動の第一としては、そのつらさを他者に隠すことなく LET IT OUT(語りだす)ことなのです。それから、他者からの励ましの言葉をLET IT IN(素直に受け入れる)ことを心がければ、元気になれるよという意味です。ビートルズの曲は音楽的に素晴らしいだけでなく、内容も慰めに満ちていて、悲しみの特効薬だと思わずにはいられません。わたし自身にとっても、長い間の親友が、突然のクモ膜下出血で逝ってしまった悲しみを慰めてくれた曲でもありました。皆さんも、悲しい時にはぜひこの曲を聞いてみてくださいね。

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