閑話休題

イーロン・マスク氏のプライベートジェット機が追跡されている

19歳の少年が、イーロン・マスク氏のプライベートジェット機を追跡するボットを作って公開しているらしい。困ったイーロン氏は、この少年に5千ドルで削除をお願いしたが、5万ドル出さなければ削除しないと本人は言っているそうである。どうみても、これは一種の脅迫のようにしか思えない。個人の情報を入手して、相手に脅威を与えている。ただ、この情報は、飛行機の安全航行のために共有されているものらしい。調べてみて、自分の考えはもう時代遅れだとわかった。航空機の位置はレーダーで監視しているものと思っていたが、今は違う。衛星を使った飛行機用のGPSがある。これの方が、レーダーよりはるかに正確らしい。19歳の少年はこのシステムを使ってイーロンジェットの運航を確認している。このシステムとは、ADSーBと呼ばれている。日本語に訳されたものは、放送型自動従属監視となっていて英語より分かりにくい。そこでもっと分かりやすい翻訳を考えてみた。英語のウィキペディアの説明がとても参考になった。まず、Aの部分はAUTOMATICだから、誰でも自動と翻訳してしまう、ところが英語のウィキペディアによると、これは今まで管制塔とかパイロットなどの人がやっていたことを機械でやっていることだと説明されている。だから、自動ではなく無人と訳した方がいい。次に、DのDEPENDENTであるが、これは従属ではなく、英語のウィキペディアによれば飛行機の中のシステム独自で処理する意味のようなので、自動にやくすのがベストだろう。従属は、全体の意味上、完全な誤訳である。SのSURVEILLANCEはどうだろう。この言葉は、通常は監視と訳される場合が多い。しかし、全体の文脈からいうと、飛行機は犯罪者でもないのだから、追跡と訳するのが妥当だろう。最後の問題は、BのBROADCASTだ。これを放送型としたのは、一種のお笑いのように思える。このシステムは、テレビやラジオの放送とは違う。だから、放送型は誤訳に等しい。もっと適切な翻訳があるはずだ。そして、それは、広域通信だ。さて、部分的な問題指摘が終わったので、ADS-Bを分かりやすいように私訳してみよう。すると、これは、無人型自動追跡広域通信となる。不十分ではあるが、放送型自動従属監視よりは、言葉の内容を伝えているように思える。聖書には、「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」(ヨハネ福音書1章1節)と書かれている。この言(ことば)の原語はギリシア語のロゴスだ。この言というロゴスの訳語にも疑問が残る。ロゴスはロジック(論理)などの言語だから、摂理などに訳した方が良かったのではないだろうか。現代的に解釈すれば、このロゴスは話し言葉ではなく、神の世界のソフトウェアー(プログラミング)があったという事だと思う。放送型自動従属監視という用語にしても、聖書の言(ことば)という訳語にしても、世の中では、不可解な表現がまだまだ多いと思う。それは訳している本人が根本的には理解できていないからだ。

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