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死についての考察10「生きているだけで親孝行だよ」という言葉との出会い

いじめが原因で不登校を繰り返していた女の子のお母さんが、車で娘を学校に送り届けようとした際に、カーブを曲がり切れずに電柱に激突して死亡しました。奇跡的に無傷で生き残った女の子は「お母さんが死んだのは自分のせい」と自分を責めながら死にたい思いで毎日を送っていたそうです。わたし自身が女の子の立場であっても同じように感じることでしょう。自分が自力で学校に行っていたら、お母さんの犠牲もなかったはずだということです。いじめられてきた自分自身もつらいのに、それに加えて、自分のせいで優しいお母さんさえ失ってしまったのです。もう生きていたくないと思うのは当然でしょう。そのような立場に置かれた人が自殺を選んでしまうことは否めません。ただ、この女の子は、悲しみのどん底にあったときに、バーチャルYouTuberの動画で、『生きているだけで親孝行だよ』と言っているのを見たそうです。その言葉に励まされ、母親を失った女の子は、自力で自分の道を進むことができるようになりました。お母さんが犠牲となって、娘に生きていく希望が与えられたのです。お母さんが一粒の麦となって死に、その命が娘に与えられたような気がします。

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