閑話休題

スーザン・ボイルとアメイジンググレイス

スーザン・ボイルがイギリスのオーディション番組で「夢破れて」を歌い、その美声で観衆を驚愕させてから、はやくも14年近くになります。プロになっても、すぐに消えるタレントだと酷評されながらも、現在まで立派に活躍しています。今年の4月には62歳になる歌手です。その彼女が、アメイジンググレイスを歌う場面と、その後のインタビューの様子がユーチューブに掲載されていました。会話はすべて英語ですが、スーザン・ボイルの英語はスコットランド方言が強いので少し聞きにくいところもありました。それでも、解説によれば、スーザン・ボイルは誠実なクリスチャンで、有名になってからも、その生活態度は変わっていないとのことでした。確かに、彼女の父親が彼女が36歳の時に亡くなってから、母親が亡くなるまで10年間、母親と一緒に住んで世話をしたそうです。また、小さいころはアスペルガー障害のために、生徒や先生からもいじめを受けていたそうです。重なる苦労の中で青春を失った彼女が、47歳の時に突然、世の中から認められたわけです。そんな彼女が、アメイジンググレイスを好きな理由を思い深く語る姿が印象的でした。それは、失われたものが、再び見出されるという歌の内容が好きだということでした。彼女の半生を調べてみると、それはまさに、これまで彼女の歩んできた道そのものだったような気がしました。これは、英語ではLOST AND FOUNDです。それが書かれている聖書の箇所はルカ福音書15章24節です。「この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。」アメイジンググレイスを作詞したジョン・ニュートンという人も、奴隷船の船長をしていましたが、その後、悔い改めを経て牧師になっています。闇の中の生活をしていた自分が、救い主によって救われ、光の中に入れられた体験を歌にしたものです。この曲が作られてから既に250年ほどたっていますが、スーザン・ボイルだけでなく、いまだに世界中の人々に愛されているのは、そこに神の愛による心の慰めを感じることができるからでしょう。わたし自身も、過去を振り返ってみれば、まさにLOST AND FOUNDの人生でした。だから、インターネット教会を通して、この心の平安をお伝えしたいのです。

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