閑話休題

アリババと盗賊退治

今から30年くらい前に、ルーテル世界連盟の奨学金でエルサレムに行ってユダヤ教を学ぶ機会がありました。その時の小さなエピソードをお話ししましょう。わたしや他の国からのルーテル教会の牧師たちが滞在することになったスウェーデン神学研修所はエルサレムの市街地のすぐ近くにありました。地図には載っていると思いますが、レホブ・ハ・ナビーム(預言者通り)という場所です。この研修所は敷地面積500坪くらいあったとおもいます。かなり以前に建てられたものを、スウェーデン教会(その頃は国教会)が購入したものでした。昔の建物らしく、敷地のまわりは城壁のような石塀で囲まれていました。そしてその塀の上には通路があって侵入しようとする外敵と戦えるようになっていました。まさに、小さな城ですね。そこの神学研修所のラーソン先生がわたしたち研修生を案内してくれて門の上に登った時の事です。これも頑丈な石造りの門の上に穴が開いていました。下が見えるようになっていたのです。ラーソン先生は笑いながら「この穴は侵入する盗賊の上に煮えたぎった油をかけるためのものです」と言ったのです。わたしは、アリババと盗賊の話を思い出して、思わずガッテンしたものでした。人生にもわたしたちの生活を破壊する、さまざまな試練がやってきますが、わたしたちはそれを撃退する聖書の油を持っているでしょうか。

 

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