人類はイネ科の穀物で救われている
わたしが農家から借りている畑の隣に竹林があります。春にはタケノコが出ていましたが、この成長は実に早いものです。畑にはトウモロコシを植えてありますが、この成長も早いものです。調べてみると、竹もトウモロコシも同じイネ科ですから、人間なら親戚関係といえるでしょう。だとすると、コメもイネ科だし、小麦や大麦もイネ科です。世界のイネ科の穀物の生産量を調べてみると。トウモロコシがトップで約11億トン、それに小麦やコメがおなじくらいの7億トン強、大麦が1億6千万トンです。アワやヒエもいれればあと数億トンは加算されるでしょう。たぶん、イネ科全体では年間生産量が30億トンくらいだと思います。これによって、わたしたちは養われているわけです。創世記の記事を見ますと、「エジプトには穀物があるというではないか。エジプトへ下って行って穀物を買ってきなさい。そうすれば、我々は死なずに生き延びることができるではないか」(創世記42章2節以下参照)、というヤコブの言葉がでています。このことをきっかけとして、ヤコブの息子たちと末の息子であるヨセフとの再会が実現したのです。それに、飢饉に備えて穀物の備蓄をすすめたのもエジプトで高官になったヨセフのインスピレーションによるものでした。現代でも、わたしたちの生命はイネ科の植物によって支えられています。これは事実です。そして、イネ科の植物は成長が速いだけでなく、麦踏みにみられるように、踏まれても踏まれても、困難を通して、更に強く成長します。こうした穀類は、神様のすてきなプレゼントのように思えてなりません。余談ですが、わたしがイスラエルに住んでいた時に、散歩しながら道端を見ると、雑草の中に小麦が混じっていました。地元の人は、小麦の原産地はイスラエルだと言っていました。調べてみると、確かにメソポタミアが原産だと書いてありますから、イスラエルにも早くから自生していたものと思われます。