印西インターネット教会

アメリカのテレビドラマ「ローハイド」にみる古き良き時代

このドラマは1954年くらいに制作されています、今から70年近く前ですから、映画自体が西部劇の時代そのものだともいえるでしょう。今ではユーチューブで全編を見る事が出来ます。ちなみに、ドラマの登場人物たちは、南北戦争を経験した人たちだという設定になっています。それにしても、数千党頭の牛を誘導して、アメリカ大陸を縦断していったカウボーイたちの苦労は並々ならぬものだったと思います。日本では、戦国武将なののストーリーがテレビドラマになる場合が多いですが、そうした先人たちの苦労と喜びをハラハラ、ドキドキしながら見る視聴者たちの気持ちには国境を越えた共通点があるように思えます。このカウボーイたちの一団を動かしているリーダーは、ギル・フェイバーという人です。この人の言動を見ていると、古き良きアメリカの価値観が伝わってくる思いがします。例えば、「ドッグ・デイズ」というエピソードがあります。これは、「最悪の日々」とでも訳することができるでしょうか。とにかく、家畜の移動中に悪い事ばかりが連続して起こるのです。その中で最悪なのは、リーダーのフェイバーが迂回路をとらずに何十キロもある乾燥地帯を横断することを決めた事でした。暑さと、水のない問題で、部下のカウボーイたちの不満が爆発寸前になります。こうした非常事態において、いつもは沈着冷静なフェイバーも、いくつもの過ちをおかします。ただ、こんな時にみせた彼の態度が、古き良きアメリカを彷彿させるのです。その第一は、リーダーとしての彼は、自分のした決断にたいしていちいち弁解しないことです。良い結果でも悪い結果でも、彼は寡黙に受け止めます。第二に、部下たちの不満が頂点に達した時に、彼は全員を集めて、「去りたいものは去れ」と命じたことです。勿論、それまでの分の給料は支払って、去らせるわけです。そこには、人間が神から与えられている自由な選択という思想があらわれています。そして、人手不足になって、乾燥した荒野で水もなく、家畜が死に絶えても、フェーバーは自分が責任をもつという堅固な姿勢が表れていました。第三の点は、批評家的にに不平不満をつのらせるのではなく、各自が去るか残るかという決断を行い、その決断に責任を持って実行するという意志力の問題です。責任転嫁の多いわたしたちの時代に、学びたい生き方の、一例だと思いました。

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