語学

英語の二要素は動詞形と名詞系

おそらく、語学を勉強するときに文法は避けられないでしょう。勿論、文法を使わない耳からの学びという方法もあります。その典型は、外国に移民した労働者たちの語学能力ではないでしょうか。もともと彼らは、語学学習を目的としていないので、耳で聞いたことを自分で繰り返すことによって意思疎通をはかります。この場合には、文法を無視したカタコト会話で十分なわけです。わたし自身も、アメリカに留学していた際に、日系人の英語を聞いたことがあります。小さな時からアメリカの学校に行った人は別ですが、自分で英語を覚えた人はカタコト英語でした。その文法という部分ですが、英語の場合、かなり多くの不規則変化があって複雑です。そして、文法用語も数多くあります。ですから、日系人に限らず、日本で英語を学ぶ人にとっても、これは簡単ではない作業です。ところが、ある時、外国の学者が書いている文法書を読んでいて、目から鱗が落ちる経験をしました。その学者は、英語には動詞形と名詞系の二種類しかないと述べていたのです。考えてみれば確かに様です。I HAVE A PEN.という簡単な文章でも、Iが人称代名詞、HAVEが動詞、Aというのは不定冠詞と呼ばれていますが、もともとはANとかONEであり、名刺を修飾するための名詞系の言葉です。PENは名詞です。次に、I HAVE A PEN IN MY HAND.はどうでしょうか。前半部分は既に説明しましたが、後半の、IN MY HANDというのは文法的には動詞を説明する副詞句です。ですから、動詞形の部分なのです。この場合、副詞は文中で移動できます。IN MY HAND I HAVE A PEN.と言っても意味は同じです。ところが、英語では同じ表現でも違う用法になることがあります。例えばこれはどうでしょうか。THE PEN IN MY HAND IS  LOMG. この文でIN MY HAND という部分は前記の文書の中のものと同じです。しかし、役割が違います。ここでは、IN MY HANDはPENという名詞の説明をする働きをしている形容詞句となっていて、文中で移動することはできません。これは名詞系に属する部分です。先に述べたカタコト英語では、THE IN MY HAND PEN IS LONG.などとしてしまうのです。意味は通じますが文法的に誤っています。ちなみに、THEも定冠詞ですが、もともとはTHATであり名詞を修飾するための名詞系の言葉です。そう考えると、文法には不定詞、分詞、関係代名詞、関係副詞、分詞構文などの用語がたくさんありますが、どれも動詞系か名詞系に分類できるものです。英語の二要素は動詞形と名詞系だからです。

-語学