閑話休題

帰って来たヒトラー

イタリア語を学ぶ手段の一つとしてイタリア映画を見ています。早い会話が聞き取れる訳ではないのですが、発音に耳を慣らすのが目的です。あと、マックスの法則で、大量にインプットすることで言葉の意味を推測していきます。それはそうと、先日は、「帰って来たヒトラー」というドイツ映画を借りてきてしまいました。タイトルが面白そうだったからです。ドイツ語はしばらく勉強していないのですが、英語系の構造なので親しみを感じます。我が家の娘が結婚した相手の両親もドイツ人なので、将来はドイツ語も再学習したいとは思っています。さて、「帰って来たヒトラー」は意外と面白い映画でした。喜劇とも言えるでしょう。笑える映画です。現代に復活したヒトラーがテレビ出でたり、社会現象になっていくわけですが、ヒトラーの説得力はスゴイものでした。現代文化批判も入っていました。その中で2つの印象的な場面がありました。その一つは、家族を収容所で殺害されたユダヤ人のおばあさんに、ヒトラーが会った時のことです。そのおばあさんは言いました、「最初はみんな笑っていた。でも、わたしは信じないよ。出ていけ。」あと、もう一つの場面は、第二の主人公ともいえるテレビ局のディレクターが、ヒトラーに銃をかまえた時に、ヒトラーが言った言葉です。「おまえはわたしから逃げられない。何故なら、わたしはお前たちの中にいるのだから。」これには考えさせられました。聖書には、どんな人間の中にもサルクス(人間本来の肉=神に敵対する闇の勢力)があると書いてあります。これはつまり、ヒトラーの中にある差別や残虐性、民族エリート主義、冷酷な効率主義などは民衆の中にあるという事です。政治家を変えてもダメなのです。どの国でも、とんでもない政治家が存在できるのも、実は、大衆の心の反映に過ぎないことを学ばされました。一般の人たちの心が、カルティベイト(文化的に耕される)ことなくしては、社会も変わらないでしょう。ですから、インターネット教会の目的も、一人でも多くの人に、聖書の思想を、神学的にも正しく理解していただくことなのです。

 

 

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