閑話休題

ライアン・オニールさん死去、82歳

映画「ある愛の詩」で有名になったライアン・オニールさんが死去しました。1970年代に映画を見てから、もうすでに50年以上がたっています。当然のことですが、昔の美貌はとっくに消え失せ、かなりの老人になっていたようです。当時のアメリカの映画はハッピーエンドの筋書きが多かったのですが、この「ある愛の詩」という映画は、最初から悲劇的な結末を予告していました。今でいうネタバレですね。それでも、フランシス・レイ作曲の悲しくも美しくもある主題歌が心をうちました。この曲は、アカデミー作曲賞を受賞しています。ライアン・オニールさんの死去は、一つの時代の終わりを告げているように思えました。これは、少し悲しい現実ですが、受け止めなければなりません。聖書を見ますと、若い羊飼いから国王にまで出世したダビデの生涯の終わりが記載されています。若いころには、彼もまたライアン・オニールのような眉目秀麗の美青年でした。しかし、老人になった彼は「衣を何枚着せても暖まらなかった」(列王記上1章1節)と書かれています。しかし、彼の信仰心は弱まらず、こう祈りました。「わたしたちなど果たして何者でしょう。わたしの民など何者でしょう。すべてはあなたからいただいたもの、わたしたちは御手から受け取って、差し出したにすぎません。わたしたちは、わたしたちの先祖が皆そうであったように、あなたの御前では寄流民にすぎず、移住者にすぎません。この地上におけるわたしたちの人生は影のようなもので、希望はありません。」(歴代誌上29章14節以下)「彼がイスラエルの王であった期間は40年に及んだ。ヘブロンで7年、エルサレムで23年間王位にあった。」(歴代誌上29章27節以下)ダビデの生涯を支えた信仰心とは、人生といういうものが、神様からの賜物であって、わたしたち自身は元来なにも所有することのない流浪の民だという自覚と、神様への感謝の意識ではないでしょうか。映画「ある愛の詩」でわたしたちの人生に彩を与えてくれたライアン・オニールと共演のアリ・マッグローも、その演技を「御手から受け取って、差し出した」ということなのでしょう。ちなみに、「ある愛の詩」の英語の原題は、LOVE STORY(愛の物語)でした。それを考えると、わたしたち自身も、神様の絶対愛のシナリオのもとに愛の物語の中で生かされていることがわかりますね。それを信じるのが、信仰でもあります。

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