閑話休題

三笠宮百合子様逝去

昭和天皇の弟であった三笠宮殿下の奥様の百合子さんが101歳で亡くなられた。一つの時代の終焉でもあると思います。百合子様には面識はないのですが、三笠宮殿下には、知人K先生の送別会でお会いしたことがあります。とても気さくな方で、中近東の歴史に興味をもっておられた方でした。K先生から聞いたのですが、三笠宮殿下は、三種の神器の一つである鏡の裏に、ヘブライ語で「神」の意味である、「HY」と刻まれていたのを確認したそうです。そんなこともあって、親しみを覚える皇室の人でもありました。記念にサインをいただけますかとお尋ねしたところ、こころよく引き受けて下さいました。ペンを取り出して、まさに書こうとしていた時に、側近の方が用事で迎えに来てしまい、願いは残念ながらかないませんでした。似たような例ですが、わたしがイスラエルのエルサレムに在住していた時に、いつものように土曜日はユダヤ教の会堂の礼拝にでていたのですが、偶然に、「我と汝」の著者であるマルチン・ブーバーの伝記を書いたベン・コーリンという人に出会いました。この時は、わたしが記念にサインをお願いできますかと尋ねると、彼は笑顔で「わたしはリベラルなユダヤ人だが、さすがに安息日に文字は書けないよ」といわれました。三笠宮ご夫妻もベン・コーリンももはやこの世の人ではありませんが、今を生きるわたしたちには、どう生きるかが神から問われているように思います。パウロはこう語っています。「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」(フィリピの信徒への手紙3:13以下)

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