閑話休題

思い出の哲学事典

アメリカへの留学は5年ほどでした。その出発の時に、同じ教会の青年会の友人が平凡社の哲学事典をプレゼントしてくれました。当時の値段で一万円もする高価な本で、1700ページほどもある分厚い事典でした。その後、アメリカ留学時だけでなく転居するごとに、大切に書棚に保管してきたのがこの事典です。その事典の裏表紙にはこう書いてあります。「中川俊介君へ 『わが子よ、確かな知恵と、慎みとを守って、それをあなたの目から離してはならない。それはあなたの魂の命となり、あなたの首の飾りとなる。(箴言三章)』」別の箇所にはこう書かれています。「中川君へ 偉大な思想家の語る深遠な知識より、名も無き牧者の宣べ伝える神の愛を、  わたしは信ずる。 署名TY」これまでこの本にどれだけ助けられたかわかりません。神学は哲学と切り離すことができませんし、人生を考える時にも哲学が必要だからです。この思い出の事典は、わたしに今も多くの啓発を与えてくれる人類の知恵の集積であり、聖書と共にわたしの人生の宝の一つだといえるでしょう。

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