語学

マルコムX式学習法

人種差別と戦い、最後は暗殺されたマルコムXについて、以前は知的な人のような印象を持っていました。ところが、映画「マルコムX」を見て、彼の学校は、刑務所の図書館だったことがわかりました。彼の学習法は、もっぱら辞書を書き写すことでした。そして、若く、未熟で乱暴、無学だったマルコムXは、知的に人々を説得できる人物として成長したのです。この方法は、語学にも応用できます。辞書の例文を書き写すのです。ためしに、中国語でやってみましたが、文の構造が意識に深く入ってくる気がしました。おそらく、こうした作業を毎日繰り返せば、外国人も驚くような、知的な会話ができるでしょう。それはマルコムXがすでに実証しています。また、外国人でありながら、イギリスに帰化し、素晴らしい英文で数々の作品を残した小説家ジョセフ・コンラッドの勉強法も、将来研究してみたいことです。では最後に、そのコンラッドの心打つ英文を引用しておきましょう。船員だった彼の心情が読みとれます。

Sleep after toyle, port after stormie seas,
Ease after warre, death after life, doth greatly please

(中川私訳)

労苦のすえのまどろみ、荒天の海を背にして港に身をよせ、

身を削る疲れのあとの安らぎ、生のあとの死、それは大きな慰め

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