閑話休題

計画停電とエンロン

だいぶ前のことですが、アメリカのカリフォルニア州で停電が頻発したことがありました。当時のニュースでは、送電線などのインフラが老朽化して、停電を起こす原因になっているという事でした。しかし、科学技術では最先端の能力を有する国が、停電に悩むなどということは、不思議だと思っていました。しかし、今回、エンロンというエネルギー会社の発展と突然の倒産を描いた映画を見て、その背景がわかりました。エンロンは、最初に天然ガスの供給を主とする会社でしたが、やがて、株価の操作で会社を巨大化させ、政治にまで影響を与えるようになりました。その一例が、カリフォルニア州において、エンロンに好意的な俳優シュワルツネッガーを州知事に当選させたことです。そして、当時のブッシュ大統領の支持も取り付けて、アメリカ最大の経済力をほこるカリフォルニア州で電力の自由化を成功させます。それだけではありません。自由化の後、様々な理由をつけて、計画停電を起こさせ、周辺の州から、法外な値段で電力を購入させ、その差額を自分たちの懐に入れていたのです。これは犯罪として後に告訴されています。それにしても、あの不思議に思った計画停電の背景にはこんなことがあったのですね。アメリカでは、内部告発によってこれがわかったのです。日本はどうでしょうか。忖度の代表国日本では、内部告発などは夢のまた夢に過ぎません。日本でも、計画停電があった事はみなさんもご存知でしょう。あの大震災の後で、ずいぶん苦労したものです。しかし、その背景は何だったのでしょうか。原発をとめたらこれほど不便だよという、「みせしめ」だったのでしょうか。いまだに、すべてはブラックボックスの中です。アメリカのエンロンがやったことは悪です。しかし、悪を隠蔽している国は最悪だともいえるでしょう。

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