聖書研究

聖書の写本と福音流布について

新約聖書は約二千年前に書かれた古代の文書です。旧約聖書はさらに古く、約二千八百年前に編纂された古文書です。どちらも、最初に書かれた原本は存在しません。写本が無数にあるわけです。実際に、古代の文書で聖書ほど多くの写本が残されているものはないそうです。例えば、日本で突然、約二千八百年前の古文書が発掘されたら大騒ぎですよね。しかし、そうした貴重な古代社会の資料が旧約聖書という形で、本屋さんに行けば買えるのです。これも写本のおかげです。写本がなかったら、そんなに昔のことは人類の記憶から消えてしまったことでしょう。そして、写本が多数存在するがゆえに、原本がなくても、写本の批判研究によって、原本の形を再構成できているのです。古代の人たちは、羊皮紙と筆を使って、セッセと聖書を写し、次の世代に伝えていきました。幸いなことにユダヤ人たちは非常に几帳面でしたから、あまり書き損ないはなかったようです。イスラエルの洞窟で死海写本という聖書の巻物が発見されたときも、そこに書かれていたイザヤ書の内容は、モスクワの博物館に大切に保管されていた貴重な古代写本と、ほぼ一字一句同じだったそうです。昔の人は苦労して書物を写本していました。日本では、勝海舟が貧乏な書生だった時に、外国語の辞書を写本して売り、生活費にあてたそうです。今は、便利です。コピペと言って、原本をコピーして貼り付ける(ペースト)するだけで、写本と同じ効果があります。さらに言えば、手書きの写本よりはるかに正確です。そこで皆さんにお願いです。このインターネット教会で掲示している聖書の言葉や説明で役に立つものがあったら、落ち込んで勇気をなくしている人や、元気のない人に、ぜひコピペして送ってほしいのです。ネットを検索している人は、まだ、心は前向きだとおもいます。しかし、福音は、本当に人生が真っ暗になった人に届いてほしいわけです。それには、皆さんの手助けが必要です。「こんなことが書いてあったよ」の一言と、コピペを、沈み込んだ友達に送ってくださるだけでいいと思います。コロナでダメージを受けても、日本はまだまだ世界有数の経済大国ですが、自殺大国でもあります。人には言えない苦しみが隠されているのです。ですから、一人でも多くの人が、福音を知って元気になり、元気でない人を励ますことができる人になって欲しいというのが、わたしの願いです。

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