閑話休題

田村正和さんの死とゴンドラの唄

吉井勇作詞の「ゴンドラの唄」に、「いのち短し恋せよ少女、黒髪の色あせぬ間に、心のほのほ消えぬ間に、今日はふたたび来ぬものを」とあります。女性ではありませんが、77歳でなくなったと報じられた田村正和さんの黒髪が懐かしく思い出されます。ああ、月日はこんなにも早く過ぎ去るのだとも痛感させられました。それを考えると、チョット鬱な気分になります。そんな時に、聖書を開いてみると、「肉なる者は皆、草に等しい。(中略)草は枯れ、花はしぼむが、わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ」(イザヤ書40章6節以下)と書かれています。人間の有限性を悲しむことに終始せず、神の永遠性に目を向けるように勧められているのです(!)。また同じ章の後半には、「主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない」(イザヤ書40章31節)と書かれています。多くの試練を体験してきたユダヤ人たちは、この言葉に、慰めと励ましとを得てきたことでしょう。ユダヤ人だけでなく、今から約100年前にパリで開催されたオリンピックの400メートル走競技に出場し、優勝したエリック・リデル(炎のランナーとして映画化された)にとっても、この言葉は、人生の支えでした。

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