弱さの研究1
現在、我が家には一歳未満の赤ちゃんを含む三男の家族が同居しています。赤ちゃんの泣き声を聞いて思い出しました。泣く理由は、大きく分けて三つです。お腹がすいた時、おむつが濡れた時、眠い時などです。実際には、悲しくて泣いているよりも怒っているのだと気づきました。自分の小さなころを思い出すと、空腹時にはやたらと怒りやすくなったものです。ですから、人間は、空腹、不快、体調不良などの不可抗力に対して怒るわけです。「怒りのコントロール」に関する本を読んだことがありましたが、そこには、人間の弱さが怒りの原因だとは書いてありませんでした。考えてみれば、動物の世界でも、弱い動物は吠えて怒って自己防御しますが、強い種類は冷静です。人間も似ているのではないでしょうか。他者の助けを借りなければ生きていけない赤ちゃんは、怒って泣くことによって、助けを手に入れます。弱い者の生き残る手段です。そう考えてみると、この世の大人たちも、自分の弱さをカバーするために怒っているとしか思えません。聖書に登場するイエス・キリストは、あのように卑劣で残酷な仕打ちをうけても怒りませんでした。彼は弱い人ではなかったからです。