閑話休題

少しの遅れがとんでもないことに

運転免許の更新に行ってきました。わたしの住んでいる印西市からは、幕張か流山の免許センターで更新できます。更新受付の午前の部は8時半から10時までです。8時半に行くためには、7時に出発しなければならないので、10時前に着く予定で家を出ました。ところが、途中で渋滞にあってしまいました。それでも、頑張って流山の免許センターまで行ったのですが、着いたのは10時5分過ぎでした。午前の受付は終了していました。午後の受付開始まで3時間ありました。しかたがないので、早めの昼食をとったり、ブックオフで立ち読みしたりして時間を潰しました。たった5分だけの遅れでしたが、3時間の無駄な時間を過ごすことになりました。この場合には、午後の受付時間があったからよかったのですが、もしこれが、人生一回きりの事柄だったらだうでしょうか。そのような時を見逃した人物の話が旧約聖書に書かれています。ソドムとゴモラが滅亡した時に、そこから脱出したロトの妻の事です。ロトはアブラハムの兄弟ハランの息子ですから、アブラハムにとっては甥にあたります。以前のことですが、アブラハムとロトが土地を分ける時に、ロトは肥沃なソドムとゴモラの土地を選びました。しかし、この裕福な土地では道徳が下落し、神の怒りに触れて、火に焼かれて滅ぶことになりました。ロトも妻や子供たちも、神のお告げを受けて、町を脱出したのですが、「命がけで逃れよ。後ろを振り向いてはいけない。」(創世記19章17節)という神の語りかけを忘れて、立ち止まり、後ろを振り向いたので、ソドムとゴモラに降った硫黄の火の影響を受けて塩の柱になってしまいました。わたしも、イスラエルに住むまでは、これも一つの寓話のように思っていましたが、今ではソドムとゴモラの災害も何等かの形で実際に起こったのだろうと思っています。ロトの妻が塩の柱になったというのは、おそらく火砕流に巻き込まれたからでしょう。実際に死海からガリラヤ湖まで伸びる大きな地溝帯には、火山活動が認められます。ティベリアには温泉がありますし、ガリラヤ湖の水中から吹き出る間欠泉もこの目で見たことがあります。ですから、何らかの形でソドムとゴモラを滅ぼすような火山的な自然災害が発生したのでしょう。それにしても、問題はロトの妻です。逃げる時間は切迫していました。それに遅れてはいけなかったのです。後ろを振り向いて、自分の家が無事かどうかを確かめている時間などはないのです。わたしもそうですが、人間には少しぐらい遅れてもいいだろうという、甘えがあります。それが命取りになるのです。ロトの妻がまさにそうでした。今やらなければならないことは、今やるべきで、遅れてはならないと神は諭しておられると思います。少しの遅れがとんでもないことになったのは、東日本大震災のさいに津波から逃げ遅れた例を見ても明らかです。

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