印西インターネット教会

ファジー(曖昧)な形の語学習得法

語学について書くのは久しぶりです。コロナ下でも大学の後期の授業は始まりました。昨年は、一年間遠隔授業でしたので大変でした。対面で授業できることのありがたさを実感する昨今です。先週は、関ジャニがユーチューブに出している「伝言ゲーム」というものも授業で見ました。これを見ると、語学と言うものが、基本的には伝言という機能なのであって、基本的には、単語や文法がわからなくても、音をまねるだけでメッセージが伝達できることがわかります。同じユーチューブで、プロ野球のダルビッシュ選手が英語をどのように習得したのかを語っています。彼が強調しているのも、音をまねることです。以前のことですが、わたし個人の研究で、日本人でありながら英語が上手な人に、英語学習の方法を聞いたことがあります。そのなかで、テニスを教えている人が、ネイティブのような英語でした。その理由を聞いてみました。彼は留学したのでも、日本で英文科で学んだのでもありませんでした。ただ、仕事柄、アメリカのテニス教室に行って子供たちにテニスを教える機会が多かったそうです。子供の英語には、文法や文字がありません。彼らは、体験的に聞いた音を、自分なりに組み合わせて発音しているだけです。まさに、上記の伝言ゲームと同じです。それを、聞き取りながら、自分も同じように、聞いた音を組み合わせていくうちに、彼の英語はネイティブのように磨かれたものとなったのです。それは、文字のように一字一字が正確に表記されるものではなく、ファジー(曖昧)な音だけの世界です。同じように、江戸時代の通訳も、黒船でやってきたアメリカ人に、「ガラトメチョー」(柄留町?)という空耳英語であいさつしました。これを文字であらわすと、GLAD TO MEET YOU ですから、通じたのは勿論のことです。これも、日本語と英語のファジーな接点を利用したものです。他にも、外国でタクシーから降りたい時に、「アゲドーフ」(揚げ豆腐)といえば、IGETOFF と聞こえるはずで、必ず車は止まってくれます。ですから、日本の英語教育も、三人称単数のSとか、定冠詞や不定冠詞などの詳細を学ぶ前に、ファジーな音を使って楽しく伝言できる方法からスタートした方が良いのでなないかと思います。

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