閑話休題

自民党総裁選と政治腐敗

トイレの掃除をしていて思いました。小さな汚れでも、それを放置しておくと、さらに汚れの度合いが加速していきます。政治も同じでしょう。安倍首相の退任時の、外国のメディアの論表を見ると、客観的な見方が伝わってきます。経済的には、おおむね成果をあげたという意見が多く見られます。ただ問題は、汚れです。それを、イギリスのTHE TIMES紙の日本特派員が書いていました。「日本を権力政治に押し戻し」、そして政治スキャンダルやパンデミックによって支持率が急落した「疲れ果てた指導者となった。」民主主義への汚点の一つは、情報の非公開です。そして、国会でも記者会見でも、誰もが問題の所在を知っているのに、仲間内であろうと、それを告発する人がなく、「黙殺していけば、愚かな国民はやがて忘れるだろう」という、昔にヒットラーが取った政治力学が用いられました。今回、どの候補者が総裁になっても、前例があるので、過去の汚点は見過ごされるだろうと思っているにちがいありません(野田候補は例外)。しかし、こうした政治の腐敗は今に始まったものではありません。旧約聖書を読んでみるとよくわかります。ダビデ王やその息子ソロモン王の強大な政権が続いた後、イスラエルは弱体化していきました。今から3千年くらい前のことです。詳しくは列王記に書かれています。もう一つ、同じ時代を扱った歴代誌という歴史的記述もありますが、こちらの方はあまり政治汚点には関心がありません。それはともかく、列王記によれば、後代の腐敗を招いたのはソロモン王だとされています(列王記上11章以下)。ソロモン王は神からの語りかけを無視した人物として、描かれています。そして、政権が子孫に受け継がれていくにしたがって、その汚れは広がって行きました。イスラエルの王バシャについては、「彼は主の目に悪とされることを行って、ヤロブアムの道を歩み、イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪を繰り返した」(列王記上15章34節)と書かれています。そうした政治腐敗が続き、やがてイスラエルの人々はバビロンに捕囚され、国は滅亡しました。政治の腐敗は、やがて亡国の苦しみを生みます。聖書はそのように伝えています。

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