閑話休題

芸能人の今、昔、その変貌

「星月夜」(starry starry night)を作詞作曲したドン・マクリーンは若いころ、少し愁いを帯びた物憂げな表情だった。レコードのジャケットにも彼の姿がのっていて、暗いが深い詩情を感じさせるものだった。しかし、彼も年と共にかわってしまった。オランダのゴッホ美術館で演奏する姿をユーチューブで見たが、青春時代の面影はまったくなかった。ただの中年のオッサンだった。他の芸能人につても同じことがいえる。ユーチューブにはあらゆる芸能人の今、昔、の写真が載っていて、あたかも、使用前と使用後の宣伝のようだ(笑)。皆があこがれていた、美男美女は、美容整形が崩れてきたり、肥満や加齢で原形をどどめない場合が多い。残念なことだ。自分自身も、携帯で自撮りしてみて、相手に送ってみようかと思うが、どれも不可のものばかりなので迷ってしまう。エントロピーの法則なのだ。これは熱力学の法則であるが、すべての物質は解体していくことを示している。それは、目に見える形の死と言えるだろう。しかし、死の反対は、命である。聖書が教えているのは、まさにこの命のことではないか。「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。」(マルコ福音書8章36節)「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」(ヨハネ福音書14章6節)莫大な富を使った人工的な美も、やがては解体していく。残るものは、自己を常に更新・再生する力、すなわち命だけなのである。エントロピーの法則は、命を持たない物質に働くのであって、命のあるところでは無力だ。年老いて老化するのは致し方ないが、命の輝きを失わず、年老いてもいまだにクールな人々もいる。彼らの今、昔は、生命力に満たされている。わたしもそんな人になりたい。

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