閑話休題

NHKドラマ「群青領域」での樫山文枝の演技がスゴイ!

車を運転している時には、NHKテレビの音だけ聞いています。朝ドラなども聞いていると、音だけですから、演技者の力量がよく分かります。概して言えば、大根役者というのでしょうか、わざとらしい演技が耳障りです。ところが、金曜日の夜に、全く違う演技を耳にして驚きました。音だけですから、誰が語っているかは分かりません。しかし、そのドラマに登場する「おばあちゃん」の言葉が、胸に突き刺さるように響いたのです。車の運転が終わってから、出演者を調べてみると、そのおばあちゃん役は「群青領域」というドラマの中の樫山文枝さんでした。納得しました。かつて、「おはなはん」というドラマでで驚異的な視聴率をだした名優は、80歳になってもまだ健在でした。なにが、スゴイかと言うと、普通の言葉に、聞いた人が泣きたくなるような気持ちをのせることができるのです。演技の世界での、名工ともいえるでしょう。わたし自身も、日曜日ごとの説教で多くを語ってきましたが、このような技量はありませんでした。その昔、渡辺善太牧師という有名な説教家が、「説教は会衆を笑わせ、泣かせるものだ」と言ったそうです。それは、笑いで聞く者の心を開き、福音の真理によって罪を悔い、救いを知る泪をもたらすメッセージの事でしょう。これも、演技ではありませんが、やはり話術の名工の世界には違いありません。日本の多くの教会で、そのような説教を聴ける日が来るように、若い先生方の刻苦奮闘を祈りたいものです。この点についてはパウロもこのように述べています。「このキリストを、わたしたちは宣べ伝えており、すべての人がキリストに結ばれて完全な者となるように、知恵を尽くしてすべての人を諭し、教えています。このために、わたしは労苦しており、わたしの内に力強く働く、キリストの力によって戦っています。」(コロサイ信徒への手紙1章28節以下)「それは、他の人々に宣教しておきながら、自分の方が失格者になってしまわないためです。」(第一コリント9章27節参照)

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