最近、語学について書いていません。大学で教える方が忙しくて、書く余裕がありません。しかし、学生時代にスイス人のMAXから学んだ語学習得法は今も実践しています。それは、複雑な言語を、できるだけ単純化して習得する方法です。それでは、英文法の本を見てみましょう。最初は、簡単な受験参考書である「FOREST」桐原書店発行を見てみます。この本の序章は、文の成り立ちについてです。これは悪くないスタートです。主語動詞目的語、あるいは主語動詞補語などの基本的分構造が示されています。その末尾に、修飾語のコーナーがあります。ここで言われているのは、形容詞と副詞の事です。ただ、ここでは実に簡単にしか述べられていません。わたしの考えている、英語文法の4つの窓では、修飾語の形容詞と副詞は重要な位置を占めています。何故なら、基本的に「文」とは名詞と動詞の接続で状況を表現することだからです。例えば、「猫が走る」という文ならば、THE CAT RUNS.で済むわけです。まさに名詞のCATと動詞のRUNの組み合わせに過ぎません。しかし、その状況を詳しく述べるために、修飾語が登場します。そして、この修飾語を作成するために、文法用語である、不定詞、前置詞、分詞、関係詞などが登場する訳です。前述の猫のことですが、THE CAT RUNS IN THE PARK.と言えば、ただ走っているのではなく、公園の中を走っているわけです。さらに、このCATに対して説明を加えてみましう、THE BIG BLACK CAT THAT FINDS A MOUSE RUNS IN THE PARK. さらに、公園の方にも関係詞を使って説明を入れましょう。すると、THE BLACK BIG CAT THAT FINDS A MOUSE RUNS IN THE PARK WHERE I USUALLY HAVE LUNCH. これに副詞の部分を加えてみましょう。BECAUSE HE IS HUNGRY, THE BLACK BIG CAT THAT FINDS A MOUSE RUNS IN THE PARK WHERE I USUALLY HAVE LUNCH. このようにして、文はいくらでも大きくすることができます。文法とはそのためにあるのです。基本は名詞と動詞であり、その名詞や動詞のことを詳細に描き出すために説明(修飾語)を用いているのです。これは、難しいことではありません。外国の子供たちは、最初は単語を発声するだけですが、成長するにしたがって、名詞、それを説明する形容詞、そして動詞とそれを説明する副詞を、上手に使い分けていくのです。ですから、文を構成するには、基本的には名詞、形容詞、動詞、副詞の4つの要素しかありません。ただ、中学生の頃は、形容詞や副詞も単語に過ぎませんが、やがて文法用語をふんだんに使って、それを形容詞句、形容詞節、あるいは副詞句、副詞節などの大型修飾語にへと発展させていくのです。しかし、修飾語がいくら大きくなっても、名詞の説明部分は形容詞の働きであり、同志の説明部分は副詞の働きであることに変わりはありません。やはり、英文は、4つの要素さえわかれば、理解できるし、書くこともできるのです。これは、子供もできることですから、CHILD’S PLAY.にすぎません。最後になりますが、外人が書いた文法書「現代英文法総論」(開拓社、デクラーク著)を読むと、さらに単純化された構造が示されています。この著者によれば、動詞句の要素と、名詞句の要素で文は構成されているというのです。それは、わたしが考えているのと同じことで、動詞句とは動詞と副詞の組み合わせ、そして名詞句とは名詞と形容詞の組み合わせのことなのです。これは、英語に限らず、複雑そうに見える事象を分析し、単純な真理として把握することが大切です。キリスト教教理なども、中世から近代にかけて、複雑にさらに複雑さを上塗りしてきています。一般の信仰者には理解できない事柄になっています。おそらく、神学を専門に学んでいる者も、理解できない部分が多いのではないでしょうか。これを、英語の4つの窓、あるいは英語の2つの窓のように、体系化出来たら素晴らしいことです。若い学者たちにそれを是非達成してはしいものですね。