語学

外国人学者の文法理解は単純だった。言語の二進法の発見。

わたし自身は、学生時代にMAXという語学堪能なスイス人青年(ドイツ語、イタリア語、英語、フランス語習熟)に英語の学習法を教えてもらって、それまでは劣等課目だった英語が驚くほど上達しました。何に関しても方法があるものですね。ところで、最近文法についての小さな発見をしました。それというのも、最近、長男がTOEICの勉強をしているので、その手助けのために英文法を復習したからです。文法の苦手な人にわかりやすく文法を教えるにはどうしたらよいのかを考えながら、いくつかの文法書を見てみました。日本人学者の書いた文法書は、どれも似たり寄ったりという感じでした。日本の傾向としては、複雑にすればするほど、学術的権威が保てるようなところがあるように感じます。ところが、ずいぶん前に買ってそのまま書架に放置してあった外国人が書いた分厚い文法書を見て、目から鱗が落ちる体験をしました。それは序文にありました。この学者は、英文法の基礎は、名詞と動詞にあり、その他の要素、つまり前置詞や分詞や動名詞などは、名詞系と動詞系の二種に分類できるというものです。これまでわたしは、大学で教える際に、英語のウィンドウズという四つの窓の図を書いて、英語の4要素、名詞とそれを修飾する形容詞、動詞とそれを修飾する副詞などを分類してきました。しかし、これを2要素に凝縮した学者がいるのには驚きました。そして、実際にそうだったのです。前述した用語は勿論ですが、名詞形には冠詞、関係代名詞、現在分詞、過去分詞、不定詞、代名詞、形容詞、前置詞などが入ります。また、動詞形には、助動詞、副詞、前置詞を用いた副詞句、現在分詞や分詞構文、不定詞句、関係副詞などが含まれます。そして、このように単純化し、系統的に考えると、複雑に見える英文法も、数学や物理の世界のプラスとマイナス、あるいは1と0の二進法の世界のような単純で素晴らしい整合性を持ちます。思い返せば、中学生の頃に英語が嫌いになった理由は、わけもわからないままに、多くの不規則変化や単語を覚えなければいけなかったからです。あの時、英語の先生が、「世界に存在する事象はすべて名詞と動詞の結合で表現できる。そして名詞を詳しく表現するための名詞系統の言葉、動詞を詳しく表現するための動詞系統の言葉に分かれる。これはコンピューターの行うどんな複雑な作業もプラスかマイナスの二要素、つまり二進法で行っているのと同じだ。だから、英語文法も言語の二進法なのだと理解できる」と教えてくれたら、学習意欲が向上したと思います。それに加えて、いま考えているのは、複雑なキリスト教神学の系統化です。これも救いと罪、あるいは命と死、のように分類できればより多くの人に理解していただけるでしょう。人間の認識も、コンピューター内部のCPU認識と同じように、脳の中での二進法ですから、これは不可能ではないと思います。

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